受け継がれる伝統製法

玉こんにゃくのようにふっくらとつやのある勘六商店のいちじく甘露煮。その伝統の製法とは?ポイントを押さえつつご紹介します。

入荷後すぐにヘタ取り

大量のいちじくとヘタを取る二人の手
ヘタを取るのは集落の大ベテラン2名

収穫を迎える9月下旬から10月下旬にかけて、加工場より半径2km以内の畑から、この日甘露煮にするいちじくが入荷します。さっそくヘタを取るのは集落の大ベテラン2名。
切り口から出る粘性の高い樹液で作業が滞らないよう、刃先やゴム手袋に片栗粉をまぶします。手早い作業であっという間にコンテナが積み上がります。

和釜で一気にブランチング

和釜でお湯洗いされるいちじく
創業当初から使っている和釜

洗浄機でいちじくを洗浄した後は、和釜で一気にブランチング(お湯洗い)。ヘタ取りの際についた片栗粉や樹液を落とします。 煮るのではなく、あくまで「洗う」イメージで。あまりかき混ぜると皮が剥けるので、2~3度上下を入れ替えるのみです。

水を使わず果汁で煮る

いちじく果汁の中でいちじくを煮ている
いちじく数千個分のエキスが溶け出した果汁で煮る

ほどよく温まったいちじくは、同程度に温められた果汁の中へ。いちじくの皮は薄くデリケート。温度差があると実にしわが寄ってしまいます。水の代わりに使う果汁は、毎年の仕込の中で生成されたものを冷凍保存。次の年へとつなげます。いちじく数千個分のエキスが溶け出した果汁で煮ることで、甘さだけでなく、いちじく本来の酸味が活きた仕上がりになります。

段階的に糖度を上げる

右から左の鍋へ移るごとに糖度が上がっていく

果汁で火を通したいちじくは次の鍋へと移り、最初の砂糖が入ります。糖度は一気に上げることなく時間をかけて段階的に。いちじくが徐々に砂糖を吸い込み、自身の果汁を出します。煮汁の糖度が下がったらいちじくが砂糖を吸った証拠。また次の鍋へ移し、砂糖を加えます。これを3度繰り返します。鮮やかなグリーンだったいちじくは黄色から褐色に変化し、最後に水あめを加える頃にはつやのある黄金色になっています。

寝かせて休ませる

砂糖を吸って黄金色になったいちじく
黄金色になったいちじく

2時間ほどかけて段階的に糖度を上げた後は、一旦火を止め、今度は2時間ほど寝かせます。浸透圧を利用し、さらに煮汁を吸わせ実の糖度を上げていきます。

仕上げに最後の砂糖と水あめを

断面が透明になり火が通った黄金色のいちじく
切り口の断面が透明になったら味が染みている証

2時間寝かせた後は、最後の砂糖と水あめを加え煮立たせて完成です。 収穫期に大量の甘露煮を仕込み、その後一年かけて出荷していくには、常温保存のためにある程度の糖度が必要なのです。

家庭でできるいちじく甘露煮レシピ

皿に盛られたいちじく甘露煮

材料

  • 加工用いちじく 2kg
  • 砂糖 1kg
  • 水あめ 100g

作り方

  1. いちじくのヘタを取り、40~50℃で手早くお湯洗いする
  2. 鍋にいちじくを入れ、砂糖をすり込み5分ほど置く
  3. 果汁が出てきたら、40~50℃のお湯をいちじくが被る程度に加え弱火で20分煮る
  4. アクを取りながら、砂糖の1/3を入れ中火で20分煮る
  5. 火を止め30分寝かせる
  6. アクを取りながら、残りの砂糖の半分を入れ中火で20分煮る
  7. 火を止め30分寝かせる
  8. 残りの砂糖と仕上げの水あめを入れ中火で20分煮る
  9. 火を止め冷ましたら完成

※砂糖を加減してお好みの糖度に仕上げてください。

コンテナにたくさん入った生いちじく

フレッシュいちじく
・【季節限定品/完全予約制】加工用生いちじく 2kg入り
・【通年商品】フローズンいちじく 1kg入り